実施例

愛媛県内子町八日市・護国地区

愛媛県内子町八日市・護国地区

整備前 整備後

整備概要

路線名 内子町八日町・護国地区
用途地域 重要伝統的建造物群保存地区、日本の道百選
要請者 内子町
整備延長 610m
整備時期 昭和62年
整備方式 裏配線(連接引込)

整備の背景

内子の旧市街地は松山の南西、大洲街道沿いにあり、水運や金比羅参詣等の交通の要衝として発展したが、江戸時代末期から明治時代にかけては、木蝋の大生産地として富を蓄積した。
八日市・護国地区では、塗屋造の豪壮な製蝋問屋の主屋や土蔵が今も軒を連ねている
昭和57年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、国庫補助制度の導入による保存修理事業の開始
歴史的環境整備事業の実施にあたり無電柱化の要請
昭和61年 資源エネルギー庁から地中化地域選定にあたり「重要伝統的建造物群保存地区」への配慮について指導

整備上の特徴

道路幅員が狭く、地上設置機器の設置は困難
景観整備の目的を達成するためには、無電柱化手法は問わない
コスト+メンテナンスを考え裏配線を電力側より提案、地域住民との間で合意形成が図られた




沿道特性
・低圧需要のみ
 (対象内に高圧需要家なし)
・電灯主体
・1軒あたりの契約容量も〜60A中心





右図の青線は配電線(電柱,高・低圧本線)を示し、裏道に建てられた柱から、沿道の需要家まで、連接引込により供給

費用負担方法等

費用負担  電力負担(S62当時の地中化実施要件に適合)
資産区分 無電柱化実施前の財産分界点まで電力にて引込線を構築
協定等 特になし(財産分界に従い、それぞれの設備を電力会社と需要家が保守メンテナンスを行う)

軒下・裏配線の事例紹介の中には、費用負担が自治体負担になっているものがありますが、現補助制度下では、国費の補助対象になる可能性もあります。詳しくは、無電柱化相談窓口までお問い合わせ下さい。

合意形成の経緯

内子町の歴史的街路を考える住民会議(メンバ:内子町,学識経験者,住民代表者,電線管理者)を構成して協議を実施
当初、電線類の地中化要請があったが、
    @道路幅員の関係から地上機器設置スペースがないこと
A建設コストに加え、メンテナンスコストが過大となること
  から、裏配線方式を提案
景観整備の目的が達せられるのなら、地中化にこだわらなかったことから合意形成が図られた

設備形成

引込線の中間分岐
上空横断箇所
引込柱の様子
連接引込の様子