対象となる道路の要件
Q4.立体道路制度はどのような道路で適用できるのですか?
A4.制度を活用して、道路と建築物等を一体的に整備する場合、地区整備計画で重複利用区域が設定されたすべての道路などで、立体道路制度の適用が可能となります。
具体には、下記のとおりです。
- ①地区整備計画で重複利用区域が設定された道路。
地区整備計画とは
地区計画のうち、生活道路の配置、建築物の建て方のルールなどを具体的に定めるもので、住民などの意見を反映して、街並みなどその地区独自のまちづくりのルールをきめ細かく定めるものです。[国土交通省HPより]
既存一般道路への立体道路制度の適用イメージ
- ②都市モノレール、路外駐車場(バスターミナル機能を有するものを含む)のように道路法上の道路であっても一般的な道の機能を有しない道路。(建築基準法上の道路とは取り扱われない道路)
- ③都市再生緊急整備地域内で既存一般道路上空に建築物を整備する場合は、都市再生特別措置法により、当該道路を特定都市道路に指定し、重複利用区域を都市再生特別地区の都市計画に定めることが必要です。
■対象となる道路要件の緩和の経緯
当初は、原則、自動車のみの交通の用に供する道路や、自動車の沿道への出入りができない構造の道路に適用されていましたが、平成26年の道路法の改正(既存道路への適用が可能に)と都市計画法の改正、平成23年、26年及び28年の都市再生特別措置法の改正(特定の地域の一般道路への適用が可能に)により、既存一般道路への制度の適用が可能となりました。
さらに平成30年の都市計画法と建築基準法の改正により、地区整備計画で重複利用区域が設定されたすべての道路で、立体道路制度の適用が可能となりました。
また、平成28年の道路法の改正により、第3者が既存道路上空等に区分地上権を設定することが、交通確保施設の整備等一定の条件下で可能となりました。令和2年には道路法の改正により、バス、タクシー、トラック等の事業者専用の停留施設が道路付属物(特定車両停留施設)として認められることとなりました
(出典)R02.2道路法等の一部を改正する法律案「法案の概要」より
[H30年の法改正概要]
◎都市計画法:下記の変更がなされた。
- 道路の上空又は路面下において建築物等の建築又は建設を行うための地区整備計画(第12条の11)
自動車のみの交通の用に供する道路及び自動車の沿道への出入りができない高架その他の構造の道路以外の道路についても、市街地の環境を確保しつつ、適正かつ合理的な土地利用の促進と都市機能の増進とを図るため、道路の上空又は路面下において建築物等の建築又は建設を行うことが適切であると認められるときは、地区整備計画において、当該道路の区域のうち建築物等の敷地として併せて利用すべき区域を定めることができるものとすること
◎建築基準法:下記の変更がなされた。
- 敷地と道路との関係(第43条第1項第2号)
建築物の敷地が接していなければならない道路から、地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路を除くものとすること。
- 道路内の建築制限(第44条第1項第3号)
一の道路の上空又は路面下に設ける建築物のうち地区計画の内容に適合するもので特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものは、道路内に建築できるものとすること。
[R02年の法改正概要]
◎道路法:「第十節 特定車両停留施設」を追加、各条文の内容は下記の通り。
- 車両の種類の指定(第48条の30)
- 特定車両停留施設の構造等(第48条の31)
- 車両の停留の許可(第48条の32)
- 特定車両の停留の許可基準(第48条の33)
- 利用の制限等の表示(第48条の34)
- 特定車両停留施設の停留料金及び割増金(第48条の35)
- 特定車両停留施設の停留料金等の公示(第48条の36)